母に誘われ、連休を利用してアートアクアリウムなるものを見に行った。
都会とキレイなものが大好き。
そして家族を引き連れてどこかへ出かけるのが大好きな母である。

私はキレイなものは大好きだが都会はそれほど好きではない。
理由は人が大勢いるからだ。
精神を消耗する。

ヨーさんはキレイなものもさほど興味はなく、都会にも興味はなく、人混みは苦手である。関係ないけど大好きな海外旅行先はインド、ネパール、タイ(顔がそっち系でなじめるのかしら)。
今年も仕事は多忙を極め残業続きで気の毒である。

ケンケンの魚好きと水槽好きは水族館などの生態に関する興味なのでアートとなるとジャンル違いな気がして、
「私が一緒にでかけるから、ヨーさんとケンケンは釣りにでも行って来たら」と尋ねたら、ヨーさんが、あのね帳をば取り出して、
「なんでそんなこと言うの?ケンケン楽しみにしているよ。」
と・・・。


せんせい あのね
〇がつ 〇んにちに きらきらした きんぎょの すいそうを みにいきます 
 たのしみです
                  ケンケン



私より先にケンケンを籠絡しておくとは母侮りがたし・・。

でネットで色々調べて心を準備しておく。
チラシの写真がそれはそれは美しかったので、それはケンケンには見せないことにした。
京都の観光写真と同じで宣伝用の写真は美しすぎることが多い。
もし同じくらい実際美しかったとしても、まばらな人影のもと、心静かに鑑賞できたら受け取れるものも、ぎゅうぎゅうの群集の中ではぜんぜん受け取れない。

帰宅してから結論を申し述べると心の準備は正しかった。


飲み物とお金となけなしの元気を持って早朝出発。今回鉄道関係者の叔母から1日券なる見慣れない切符を乗車券として持って行ったので少し戸惑った。駅で母と姉親子と合流。特急に乗り込む。
NHKのブラタモリを見て以来、なんだか愛が溢れてプラットホームに立つと楽しい。電車を見るだけでウキウキする。以前はケンケンの命の心配から全く気が抜けなかったが、小学校に入り白線の意味も黄色い線の意味も一応弁えたケンケンはさほど注意を要しなくなり楽になった。
逆に体力有り余る一年生男子。乗り込んでからが面倒。
しばらくは席におとなしく座っていたけれど、
「運転席を見に行く」と言って長い列車を運転席まで。
しばらくウキウキ運転席を楽しめば
「車掌さんを見に行く」と最後尾までてくてく。
「また運転席」「また車掌さん」

風が強い日だったからか、高速だからか、けっこう、猛烈に、横揺れが、大変・・・。運動不足の主婦には揺れ揺れ特急電車の往復は普段絶対使わない筋肉を変に使って消耗した。田舎の鈍行(2両編成)に慣れた人間に特急電車は長すぎる。

「・・・・ああ疲れた」
「まだ会場に着いてもいないのに・・・!」
姉に突っ込まれる情けなさ。
主要駅の自動改札で姉と母が混乱して姪に
「だっさ・・」と言われ、ヨーさんが隠れて大うけしていた。
(なれない切符だったからだよ・・・)

絶好の行楽日和の秋晴れの都会。
道路も建物も無駄にでかい。
休日なのに人でいっぱい。人人人。
お母さんが一緒だったのでタクシーを利用できたのは嬉しかった。うちだけだった場合まずタクシーは使わないから・・・。
「楽しみだねえケンケン」と横を向くと息子はばっちりシートベルトを装着済。後から倣ってシートベルトを着ける私であった。自力でシートベルト着けるの上手になったよね・・・。
会場のホールに到着するや否や、開場前の時間ながら「30分待ち」のプラカードを持ったお兄さんに案内される。
一応建物の中だったのがまだよかったけれど、ロビーだったので冷房は殆ど効いていない中、ブラインド無しのガラスから直射日光が降り注いで相当暑かった。水筒で水分を補給しつつ、「ああやっと・・・」とホールの扉の中に入ると、そこは土産物売り場のスペースで、ロープに仕切られた人の列が蛇腹に整理されていた。入り口は遠い・・・。ヨーさんは眉間に皺を寄せて眉毛は八の字、口はへの字・・。
「ディズニーランドに比べればきっとこんなのなんでもないよ」
「まあなあ・・・そやろなあ・・・皆すごいわなあ・・・」
「平日の〇〇ランドに慣れちゃだめなんだよきっと・・・」
普段行列とは無縁の生活を送っているとコレが本当消耗する。

やっと入るころにはちょっと猫背になっていた。

さて期待しないよう頑張った結果、結構楽しめた。
最初の展示はCGを駆使した絵巻物仕立てで、移り行く四季の日本庭園を背景に泳ぐ魚影が本当に美しかった。
冬の雪景色が一番好きだな。私は。
華道と組み合わせた水槽は迫力があったけど、ちょっと花が私の好みじゃなかったかな・・・。いろいろな華道コラボ作品が他にも並んでいれば楽しかったのにな・・・横に長い和金の構図がすっきりと美しかった。大水槽は思ったよりも小さくて、ちょっと大きい変わった金魚鉢という印象だった。花魁っていう・・・。チラシだと何メートルもある巨大水槽というイメージだけれど、水族館に行き慣れていると二メートルなんてどうってことないのですね・・・。
地元の美術館を観覧するような状態でいれば二時間くらい過ごせそうですが、何しろ都会の展示会。皆さん写真を撮られるし、行列でさっさと見ないと悪いような気がするしで、所要30分と言う感じ。
ケンケンを抱っこしたり、カメラを気にして謝ったり謝られたりで、外に出るころにはもうぐったり。
ただ、同じ映像的鑑賞芸術ということなら、素直に絵画なり、映像作品で鑑賞した方が楽しめるという印象だった。
そこに、金魚という生命が実際泳いでいることで、製作者の美学が素直に体に入ってこない。
単に慣れない体験だったからかもしれないが、その人が意図するものを伝えるなら、その意図を理解した人間が表現するならわかるけれども、理解していない魚がそれを表現しきれていない。
魚は魚で、音うるさいな。とか、なんだこの光、とか、もっと普通の水槽が良いなとか、もしかしたら感じているかもしれない。
そういう余計な思考が鑑賞を邪魔して、表現者の世界に共感できなかった。
完全に絵だったらうっとりできたのにな。
金魚を見せるなら、ガラス工房とタッグしてもっとたくさんの数をこじんまりした水槽で眺めてあるく展示なんか見てみたいと思った。

あとBGMがどうしても過激すぎて耳から入る振動が辛かったかな。
繊細な音楽を選択してほしかった。
スピーカーを介する音楽の凶暴性に打ちのめされる人種が居るって誰かわかってくれないかな。もう少しどうにかしてほしいもの・・・。

近くに食べるところが無いらしいので暫く歩いて、食べるお店が集まっている区域へ。そこへ至る階段を下りてぎょっとする。
何やらイベントが催されるらしく広場に幟が立ち並び仮設ブースがずらり。嫌な予感的中でどのお店も長蛇の列で入れそうにない。
このあとミュージカルを見に行くという母と姉親子と別れ、動物園のある町まですきっ腹を抱えて移動と相成りました。
ケンケンを宥めつつ地下鉄で移動し、駅前のスーパーで幕の内弁当を買ってその辺の街路樹の脇にある石の上で昼食。
帰りは地元のスーパーで冷凍スパゲティ買って自宅でチン。

休日お出かけして外食したケースって稀。って子連れだとそうなるよねー。

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